お麩:半兵衛麩本店

お麩というのは、味噌汁に浮いているぷよぷよしていてあまり味のないもの、という認識しかなかったのですが、京都に来て美味しいと思ったのが生麩。もちもち感があるのですが、餅のようなねばっこさがなく、噛めば噛むほど滋養が広がります。

半兵衛麩を始めて知ったのは、お麩づくしのお食事。お昼だけなのですが、「むし養い」(京都のことばで軽いお食事)と呼ばれるコースがあり、結構おなかのむしも満足できるメニューでした。

創業が江戸時代ということだけあり、注目していただきたいのが、本店のつくり。昔ながらのおくどさん(キッチン)や井戸が店内に残っていて、おくどさんの上には布袋さんが七体。京都は火事が多く、火元となるおくどさんには、愛宕神社のお札やら、布袋さんが守り神として置かれています。ちなみにこの布袋さん、最初の年は小さいものを購入。そして一年間何事もなく無事に過ごせたらもう一回り大きなものを購入する。こうして7年間、つまり7体の布袋さんが揃ったらこれをお寺に持っていってお礼参り、そしてまた1からスタートする習わしだったようです。最近は町家の売却の際に取り除かれてしまうことが多いのですが、半兵衛麩には7体そろっていますので、お見逃しのないように。

お食事あとのお薦めが、2Fにあるお辨當箱博物館。江戸時代からの古いおべんとう箱がたくさん展示されています。手提げの花見重には豪華な蒔絵がほどこされていて、徳利の収納場所も。花見、蛍狩り、川遊び、紅葉狩り、その時々でいろいろなデザインのお弁当箱が宴席をにぎわせていたようです。いっしょに展示されている屏風や掛軸にはお弁当箱も描かれており、当時のようすがうかがえます。お食事後の腹ごなしにぜひ。入場料無料です。

Hanbeifu

店名:半兵衛麩本店

場所:https://goo.gl/maps/zkFrVvLcCe1fYnGr5

住所:〒605-0903 京都府京都市東山区 問屋町通五条下ル上人町433

営業時間:11:00-16:00

休業日:なし

HP: https://www.hanbey.co.jp/

(お辨當箱博物館)