パトさんと町家

 

動画で見るパトさんの京町家。

HomeAwayで紹介されました。

京の花街・宮川町に暮らす写真家のパトさんは、京都をこよなく愛するフランス人

昔ながらの町家に現代の快適さをほどこし、好みのしつらえで暮らしていました。バカンスで海外へ行くあいだ、友人・知人に自宅を貸すと、その居心地のよさや利便性の高さで大好評となり、いつしか旅する方へ町家を提供することに。

「京都の風情あふれる町家で、暮らすように旅したい。」

パトさんの京町家はこの希望を1泊から叶えることができる宿です。一棟丸ごと貸し切りなので、そこに泊まるのはお客様だけという贅沢さ。スタートから5年の間に国内外から延べ1万人のゲストをお迎えいたしました。どうぞ、旅の際には町家での京都暮らしをご堪能ください。 

 

京町家のわが家

2013年暮れ、京都の町家との初めての出会い。愛してやまない京都から良い「ご縁」をいただいて、最初の町家を購入したのが始まりとなります。

築100年以上の町家がそれも街の中心地に、これほどあるとは思いもよりませんでした。そこで空き家として取り残された町家を購入、京都の拠点としてリノベーションをすることにしました。

 

夏はあつい、冬はさむい京都

「家の中にいながらにして四季が感じられるのが、京町家の良いところ」

大工さんの、この言葉はいまだに忘れられません。風雅を愛する京都人の心意気なのでしょうが、冷暖房に慣れている身にとっては、家の中の快適性は絶対に譲れないポイント。京都の家はしのぎがたい夏の暑さを基準に作られているので、当然冬は寒さが倍増されます。どの程度手をいれるのかを見極めるのは難しいところではありますが、われわれは快適な暮らしをまず一番に考えました。

 

町家の構造

うなぎの寝床と呼ばれる町家は、間口が狭く奥が長い作りになっています。片側に「通り庭」と呼ばれる土間があり、この通路の脇にお部屋が並びます。土間にはおくどさんと呼ばれる台所があり、台所の上は火事の場合に火を逃がす吹き抜け、火袋。ここは煙を逃がすだけではなく、暑い夏には涼しい風が表通りから吹き抜けていきます。そして奥には灯り取りも兼ねての坪庭。トイレやお風呂は母屋と離れて庭にあることも。京都の冬は底冷えがすると言われますが、一階の床をめくればそこはすぐ地面。寒いのもうなずけました。

 

リノベーションで学んだこと

それは町家の意匠を残すこと。町家を支える太い梁(ゴロン棒)、むくりのある屋根をベースに、土壁や屋根裏には断熱材をふんだんに使い、底冷えのする1階には床暖房、快適な睡眠に欠かせないラジエター、夏の暑さにはエアコンを設置。

これら設備を整えた上で、意匠を整えていきます。外光にソフトなフィルターをかける障子は、空気層を作ることで断熱効果もあります。土壁は湿気を調整する役割も果たしています。和室には床の間をしつらえ、京都の北山杉の床柱。一枚板のダイニングテーブル、京水屋、庄内箪笥、京火鉢、甲冑ほかの調度品。

 

京都で見つけた工芸品

最初の甲冑は、東寺のボロ市で見つけたもの。甲冑の家紋に合わせて町家の暖簾を染めに出すところから、町家の装飾が始まります。玄関上には、隣家ににらみをきかす「鍾馗さん」と町家のお守り、祇園祭で購入した”ちまき”が飾られています。キッチンには火の守り神”布袋さん”(伏見の土人形)と火除けの愛宕神社のお札。甲冑、能面(小面・老女)、市松人形、西陣織の帯、掛け軸、屏風、扁額、浮世絵、仏像、漆器、花器、つくばい、灯篭、行灯他。

パトさんお気に入りのお宝がてんこ盛り。普通の町家では見られない物もたくさん展示されていますので、フレンチテイストのしつらえをご覧ください。